2011年4月1日金曜日

「食・職・住」プロジェクト




 被災された方は雇用さえあれば、生活するお金があれば良いのではなく、将来展望や子供の成長などが重要な選択肢になると思います。すむところと食、なにより将来を感じられる仕事の提供が一番必要なことになります。
しかし、ただでも仕事難の時代なので労働人口を吸収する方法は多くはないと思います。
日本全体で一つの職種をつくりだすような力が必要だとおもいます。
耕作放棄地の整備による自給率向上、間伐や森林管理などの林産資源の保全などは、食料安全保障や木質エネルギーや建設資材の自給などに貢献します。

新しい産業は人手間が価値をもつ仕事で、社会的な存在意義が高く、一時の仕事ではなく東北の復興に寄与するモノであることが重要です。
いまの混乱がある程度収まり、被災地住宅も建ち、これから自分たちはどうするのかという展望の持てるビジョンを示してあげたいと思います。

■農山漁村の地域資源の価値化と東北産業復興リーダー
北海道や九州の農山漁村では豊富にある資源をつかった6次産業化が期待されているが思うように展開できない地域も多いのではないでしょうか。その原因の大きなものとして「人材不足」「資金不足(人件費不足)」があげられます。基盤となる農作物などを加工するインフラとして「農業体験施設」「農業加工研修施設」は各地に存在しています。

■3年間の緊急雇用事業で復興人材育成をおこなう
そのような基盤を活用して、東北で被災されたコミュニティが一段となり3年間のあいだ、他地域で産業づくりにとりくむ支援を出来ないかと考えています。3年たつと地元にもどり、住居などの生活基盤が整備された環境で地域の産業興しリーダーとして、3年間の成果をいかして雇用を作るがわにまわり地域振興を行ないます。

■豊かな地域資源開発ノウハウを震災地域の復興に活用する
迎えられる地域は地元に地域資源が沢山あり、新しい産業化が待たれる地域です。たとえば、私のいる北海道十勝地域は地域内の食糧自給率1100%です。小麦、マメ、ジャガイモなどが栽培されています。
近年若い農号者は新しい農産加工品のアイディアがどんどん出てきており、6次産業化による農作物加工や新製品開発に取り組んでいます。しかし、農業者の本来の仕事は良い農作物をつくることなので、それらのアイディアを生産実行まで行かない例も見られるようです。
地域の若い農業者と連携して「食」づくりをすすめ、復興に寄与する「職」を身につけ、公営住宅などの「住」を提供する「食・職・住」プロジェクトができないかと思います。

■たとえば
・北海道にはチーズ工房が沢山あります。これらの工房に呼びかけて3年間チーズづくりをおこない、そののちふるさとにかえりふるさとブランドのチーズをつくる。
・北海道のジャガイモをつかった新製品開発をおこない6次産業の担い手としてふるさとにもどり、北海道農産物の出先工場、支店になり首都圏への供給拠点となる。
・北海道のカラ松間伐材を利用した製品作り、木質ペレットづくりをおこない森林の育成に貢献する。

おもいつくままに記載しました。今は被災者住宅を沢山建てること、食事が潤沢にあたること、寒い思いをしないことなどが最重要課題です。次のフェイズでは上記のことが求められるのではないでしょうか。
私たちはすんでいる地域のどんな産業が東北の復興に役に立ち、どんな人たちと連携できるのかの情報蓄積がいるようにおもいます。