2013年5月31日金曜日

農業デザイン 2006年7月記載

2007年に「東日本デザイン団体会議」を帯広で開催しました。この頃は「農業」と「デザイン」は全く別の分野と考えられていましたが、デザインで農業を振興する時がきたとかんがえて、シンポジウムをおこないました。
前年の2006年にかいた企画原案をご覧ください。

デザインで興す十勝・・・出直しデザインイヤー十勝
コミュニティシンクタンクあうるず 菊池貞雄

 大量生産時代が終わりを告げバブルの終焉も感じられた16年ほどまえに帯広十勝の地域づくりに大きなムーブメントがあった。「風土と建築を考える会」「プロジェクトあん」「プランAC」などの地域づくりグループが帯広の中心市街地や商店街振興に対する提案活動を中心に活動を行っていた。しかし、当時は変わり者から始まった地域を考える「街づくり活動」は、次第に広がりを見せるほどに行政仕切の地域づくり団体に変化していった。
時代は21世紀にかわり、20世紀には新鮮だった「活性化」「街づくり」「地域づくり」「農村景観」が陳腐な言葉となり、地域を考え活動する「引き金」になる言葉が失われている。

 地域活動の主体は「起業」にシフトされ、産業クラスターなど多様な産業づくりへの取り組みが進められた。しかし、製造の素材開発、製造方法の改善など要素部分は進展しているものの、販売方式やその商品の存在意義自体が不明確である製品も散見される。
今こそ、地域の産業活動にもう一度「デザイン」をもちこむムーブメントが必要だと考えている。いまはあたらしいムーブメントに発展している「地域ブランド」が一過性に現象におわらずに地域の文化に醸成していくためにも、デザインにより一層磨かれるため、デザイン思想を産業づくりに導入することが必要である。地域産業とデザイナーが連携する仕組みにより、地域の思想をもった「商品開発」をすすめて、地域に活力をあたえる。そのようなムーブメントを十勝からおこしたいと考えている。

コミュニティシンクタンクあうるずが交流を深めている武蔵野美術大学の宮島先生が宮城県のの佐藤氏が中心となっている「東日本デザイン団体会議」を帯広で開催するになり、これを契機に十勝にもう一度デザインムーブメントおこし、それにより全国の「地域振興とデザイ」ンの関わりを再確認する「出直しデザイン計画」を考える。
北海道の受け入れ態勢としては、事務局団体はコミュニティシンクタンクあうるず、とかち・帯広デザイン振興協議会、デザイナーズ協会で構成し、旭川・函館との3都市デザイン会議などと連携する。

東日本デザイン団体会議とは
1. 経過・・・東日本デザイン団体会議について
この会議は、宮城県産業デザイン交流会と山形県デザイン協会の関係者が発案され、平成11年より毎年開催されてきた。これまでの開催地は、仙台、山形、青森、燕三条(新潟)、小平(東京)、甲府、仙台である。
参加者はデザインに関わる官民の関係者で、デザイン振興を考えている行政的な視点も盛り込まれている。

2.十勝開催のコンセプト
十勝地域では大規模農業が展開されているため農協の大量農産物販売に頼った営農が行われおり、エンドユーザーの顔が見えにくい構造になっており。現代農業に求められている「顔の見える」感覚が十勝農業には稀薄である。
近年は素材生産から加工などの取り組みが行われており、ナチュラルチーズに代表される高付加価値農業製品が製造されている。このような付加価値的農業生産は農産物の加工技術指導は充実しているが、販売戦略などをふくめたデザイン指導が地方では不十分である。
十勝地域において本会議を開催する大きな意義の一つに「デザインによる成功事例」紹介や、デザインコンサルティングビジネスを示す「農業とデザインの融合」の必要性を提示したい。。

地方におけるモノづくりは素材と加工された「現物」が存在している強みにデザインを加えることにより、足腰のつよいユーザーに向けたもの作りを加えて全国の田舎にデザインによる可能性を提示したい。

2013年5月20日月曜日

共働学舎宮嶋代表がマイスターに!

農林水産大臣表彰の記念パーティを開催しました。
当日は十勝総合振興局長や帯広市副市長本迫様、新得町長、士幌町長など十勝の食を担う地域の代表や、ランチョエルパソや有機農業の森農園などの地域ブランド活動を進めているみなさん集まりました。
開会は帯広畜産大学の長澤学長にしていただきました。

共働学舎は海外、国内の賞を受賞しています。今回はマイスターとして北海道の食文化をになう力が認められました。
NPOあうるずでもヤチヤナギ(sweetgale)をつかった新しいチーズのブランド作りに協力させてもらっています。

共働学舎ホームページより
食品産業優良企業等表彰(食品産業センター、食品流通構造改善促進機構主催)の「マイスター部門」で、共働学舎新得農場の宮嶋望代表が農林水産大臣賞を受賞。国内外でのチーズコンクールで多くの受賞をしていること、フランスの製造技術者を招いて研修会を開催しているなど、チーズ技術の向上に寄与していることが評価されての受賞です。同表彰は1979年に創設され、「マイスター部門」では国内で2人、北海道では初の受賞という快挙。お力添えをいただいている関係者のみなさま、共働学舎のチーズファンのみなさまに心より感謝申し上げます。また、この地の自然環境と、農場に棲み、チーズづくりに貢献してくれている微生物たちにも心から「ありがとう」を伝えたいと思います。今後ともメンバー一同切磋琢磨し、本物のチーズづくりに励んでまいります。(写真は、2013年3月1日の表彰式での宮嶋代表)